3. 「国民年金」を未納にするリスクと救済措置
このまま国民年金を未納にすると、3つのリスクが懸念されます。一つずつ見ていきましょう。
将来年金が受け取れない
保険料を納めていなければ、当然受給資格がもらえず年金が受給できません。
「どうせ少額だから」と思っていても、働けなくなった老後を支える大切な収入源となります。貯蓄はいつか底をつきますが、年金は生きている限り受給できるという強いメリットがあるのです。
また今後の働き方では厚生年金に加入することもあるでしょう。しかし国民年金が未納であれば、せっかく納めた厚生年金保険料も無効となり、まさに払い損ということになってしまいます。
障害年金や遺族年金が受け取れない
年金では老後に受け取れる「老齢年金」がフォーカスされがちですが、年金には今の生活を支える保障機能も備わっています。
しかし保険料を払っていなければ、万が一のときに障害年金や遺族年金を受け取れません。これらを民間の保険でまかなおうとすると、保険料は多額になります。
未納のままでは差し押さえの対象になることも
国民年金保険料の支払いは義務です。他の税金と同じように、支払わないままでは滞納金が課せられ、最悪の場合は差し押さえの対象になることも。
家族にも迷惑をかけることになるので、しっかり納付することが大切です。
「事業がうまくいかない」「失業や倒産で経済的に苦しい」などの理由がある場合は、そのまま放置せず免除・猶予の申請をしましょう。
収入が減少することにより所得が一定以下になれば、納付を猶予してもらえる納付猶予制度があります。
猶予や免除によって将来の年金額も変わりますが、受給資格にカウントしてもらえるので年金受給権が得られます。
正しく申請することで、必要な支援を受けましょう。
おわりに
国民年金保険料を未納にする人の割合や、未納理由について見ていきました。
経済的に苦しい人も多いですが、一方で年金制度への不信感から未納にする人も一定数います。
しかし、国民年金保険の未納にはリスクがつきものです。正しく年金制度を理解し、公的な保障はしっかり受けられるようにしておきましょう。
参考資料
太田 彩子