日本の定年は延長の動きが見られ、最近では働くシニアも増加しています。「できるだけ長く働くつもり」と考えている方も多いのではないでしょうか。
一方で、年金を受給する時期は一般的に65歳と決められていることから、このあたりを区切りと考える方も多いもの。
しかし年金は必ずしも「65歳から」ではなく、最大60歳まで早めて受給することもできます。これを年金の「繰上げ受給」と言いますが、実際のところ早めて受給するシニアは多いのでしょうか。
今回は繰上げ受給を利用する人の実態を確認するとともに、そのメリットやデメリットについて整理してみます。
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1. 「繰上げ受給制度」の前に知るべき年金のキホン
繰上げ受給の制度を知るためには、まず公的年金のキホンを押さえておく必要があります。
日本の年金制度は図のように2階建て構造になっています。
1階部分は日本に住む20~60歳未満のすべての方が加入する国民年金(基礎年金)。そして公務員や会社員などは、2階部分である厚生年金にも加入します。
厚生年金加入者は収入に応じた保険料を会社折半で納めるため、国民年金加入者よりも手厚い年金が受給できるというしくみです。
「繰上げ受給」はそれぞれの年金で考える必要があるため、まずは年金制度をしっかり押さえておきましょう。