2021年11月末に公表された2020年の国勢調査の結果によると、単独(シングル)世帯の割合は38.1%。日本の世帯の約4割近くがシングル世帯ということになりますが、実はこの数字、2015年と比較すると14.8%増加しています。

高齢化が進むなかで死別や離婚などで単身となる人も多いかもしれません。しかし、シングルで生きる人生を自ら選ぶ人も増えていることも要因でしょう。

また厚生労働省の資料によると、50歳時の未婚割合(50歳時点で一度も結婚をしたことのない人の割合)は2040年時点で男性29.5%、女性は18.7%になるとの推計も発表されており、今後も「おひとりさま」は増えると予想されています。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまからお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ今回は40~50代の「おひとりさま」に焦点をあて、お財布事情を紐解きながら将来へのお金の備え方についてお話をしていきたいと思います。

「40代おひとりさま」の平均貯蓄額は

さっそく、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和2年調査結果」を参考に、40代おひとりさまの貯蓄額を見ていきましょう。

同調査の単身世帯・全体の回答世帯数は2500世帯(男性58.2%・女性41.8%)。

40代ですでに貯蓄1000万円以上を保有しているのは17.3%でした。国税庁の「令和2年分 民間給与実態調査統計」によれば、日本の平均給与は433万円。貯蓄がしっかりできている方も一部いることがわかりました。

一部の富裕層に引っ張られやすい平均は666万円、より実態に近い中央値は40万円でした。その差約600万円と、貯蓄格差のようすがうかがえます。

ただもっと見過ごせないのは貯蓄ゼロ世帯が35.5%存在するということ。いまの生活だけでなく、将来の老後生活をふまえると何かしらの対策は必須と言えるでしょう。