「厚生年金の月額」ひとりで15万円超の割合とは

それでは2021年12月に公表された厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、実際に受給されている年金の月額を見ていきましょう。

厚生年金(第1号)の平均月額

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

厚生年金の受給者数(全体1610万133人)

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

平均は14万4366円ですが、ボリュームゾーンは「9万円から10万円未満」です。

上記をもとに計算すると、厚生年金を15万円以上受け取っている割合は全体の46.4%であることがわかります。

ただし男女で割合を確認すると意外な事実がわかりました。

  • 全体:約46.4%
  • 男性:約64%
  • 女性:約9.2%

なんと女性のうち、「年金15万円」の壁を越えられるのは約9.2%にとどまるのです。

平均受給額でも男性と女性の受給額には約6万円の差がありますね。

厚生年金の受給額は、現役時代の報酬額や加入期間に左右されます。シニアが働き盛りの頃は女性の賃金が少なく、結婚や出産で家庭に入るのが当たり前の時代でした。

こうした現状を踏まえると「女性のおひとりさま世帯」の老後は厳しく感じるかもしれませんが、必ずしもそうは言いきれません。

女性でも男性並みに稼いでいる方は年金受給額が高くなりますし、男性であっても独立などで厚生年金の加入期間が短ければ受給額は少なくなります。

男女差よりも、個人差に注意が必要なのです。