みなさんは「年金」に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「いずれ老後を迎えたら受給できるお金」
「自分達が受給することには、かなり減っているだろう」
そんなイメージを持つ方も多いと思います。
遠い将来に受給する「年金」は、公的な制度であるもののあまりよく知られていません。
しかし、現状を知ることは誰にとっても重要なこととなります。
年金は「今の現役世代がその瞬間の高齢者を支える」という世代間扶助の方式をとっています。
今支払っている年金保険料が現代の高齢者を支えているというしくみ上、その構造を知っておいて損はありません。被保険者と受給者の人数や月平均の受給額について確認していきましょう。
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「公的年金」被保険者の人数や推移
厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、2020年度末の年金受給者の現状を読み解くことができます。
まずは公的年金の「被保険者数」について見ていきます。
年金の被保険者は何人か
公的年金被保険者数は、令和2年度末現在で6756万人【速報値】です。これは前年度末に比べて6万人(0.1%)の減少となります。
公的年金には国民年金と厚生年金があり、2階建ての構造をしています。
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出所:日本年金機構
もう少し細かく実情を把握するため、それぞれの人数を見ていきましょう。
- 国民年金(第1号被保険者):1449万人→前年度末に比べて4万人(0.3%)減
- 厚生年金(第1~第4号被保険者):4513万人→前年度末に比べて25万人(0.6%)増
- 国民年金(第3号被保険者):793万人→前年度末に比べて27万人(3.3%)減
厚生年金の被保険者は増加していますが、国民年金だけの加入者は減少していますね。特に専業主婦などの第3号被保険者は3.3%もの減になっています。
年金の被保険者は過去から減ってる?増えてる?
もう少し範囲を広げて、過去5年間の人数推移を確認しましょう。
- 2016年度:6731万人
- 2017年度:6733万人
- 2018年度:6748万人
- 2019年度:6762万人
- 2020年度:6756万人
厚生年金や国民年金ごとの人数は下記のグラフを御覧ください。
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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
こうして眺めると、厚生年金の被保険者が増加し、国民年金の被保険者は減少している様子がよくわかります。
「公的年金」受給者の人数や推移
続いて同資料から、今度は年金を「受給している人」の人数について深掘りしましょう。
年金を受給している人は何人か
公的年金の受給者数(延人数)は、令和2年度末現在で7665万人【速報値】です。これは、前年度末に比べて76万人(1.0%)の増加となります。
被保険者と同じく過去5年分の推移も確認しましょう。
年金の受給者は過去から減ってる?増えてる?
- 2016年度:7262万人
- 2017年度:7465万人
- 2018年度:7543万人
- 2019年度:7590万人
- 2020年度:7665万人
厚生年金や国民年金ごとの人数は下記のグラフを御覧ください。
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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
人数は増加傾向にありますね。しかし被保険者数は減少傾向にあります。現役世代の負担は、もしかすると今後ますます高まる可能性もあります。
今のシニアは年金をいくら受給している?
最後に、今のシニアが年金をいくら受給しているのかも確認しましょう。国民年金と厚生年金にわけて見ていきます。
国民年金月額階級別の老齢年金受給者数
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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
自営業者や専業主婦(主夫)などが加入する国民年金の場合、その月平均は5万6253円です。人数を確認すると、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」であることがわかります。
厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数
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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
会社員や公務員等が受給する厚生年金の場合、月平均は14万4366円です。しかし人数を確認すると、ボリュームゾーンは「9万円から10万円」ですね。
この年金で暮らせるかどうかは個人によって感じ方が異なるところではありますが、「将来これよりも減るかもしれない」という現実と向き合う必要はありそうです。
まとめにかえて
公的年金について、その被保険者や受給者、受給されている月額についてながめていきました。
前年度に比べて被保険者が減少しているのにも関わらず、受給者は増加しています。支える世代が今後減れば、受給者にとって厳しい年金額になる可能性もあります。
年金に加え、自分で将来のお金を用意する必要があることは誰もが考えておいた方がいいでしょう。
また年金の額は働き方や報酬によっても変化します。今の時点でいくら受給できそうか?という目安については、ねんきん定期便やねんきんネットなどで確認する習慣をつけておきたいですね。
参考資料
太田 彩子
