2.在職中の年金受給の要件緩和
60歳以上で働く人にとってメリットが大きい2つの制度が導入されました。
60歳〜64歳の方が働きながら年金を受け取る際、現行では賃金と年金の合計額が28万円を超えた場合は年金が一部または全額支給停止されますが、4月以降はこの要件が緩和されます。
更に、65歳以降になると毎年1回年金額が改定され、年金額に反映される仕組みも導入されました。
それでは、この2つの制度について詳細を解説していきます。
在職老齢年金制度の見直し
60歳〜64歳まで受け取れる特別支給の老齢厚生年金が対象となる在職老齢年金について、今後は賃金と年金の合計額が28万円から47万円の方は年金が支給停止されなくなります。
現行では60歳〜64歳までの年金支給停止要件である賃金と年金の合計額は28万円、65歳以上では47万円となっていました。今回の改正により47万円に統一された形です。
ただし、この制度は男性が2025年度まで、女性が2030年までの措置となっております。
在職定時改定の導入
65歳以上で働きながら老齢厚生年金を受け取っている方を対象に、年金額を毎年10月に改定し、納めた保険料が年金額に反映される制度が導入されます。
現行制度では厚生年金の被保険者資格を喪失するまで、年金額の改定はされませんでした。今後は毎年年金額が増加することとなります。
これにより65歳以上で在職中の方は、就労を継続しながら受け取る年金額を増やせるようになりました。
なお、この制度は在職老齢年金の見直しとは異なり、今のところ期限は設けられていません。