退職金2000万円で老後を乗り越えられるか

一時、「老後2000万円問題」といったように政府発表の資料が話題を集めました。

こちらについて詳細を確認していきます。

出所:厚生労働省「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」

  • 月々の赤字額:約5万5000円
  • 老後必要額=5.5万円×12ヶ月×30年=1980万円(約2000万円)

これが、「老後2000万円問題」の根拠となった計算です。

国家公務員の定年の退職金がだいたい2000万円強なので、何とか足りるといったところでしょうか。

ただ、政府の試算はいろいろな「仮定」のうえに成り立っています。

まず、実収入(主に年金)が20万9198円と仮定されています。

国民年金であれば受給額に大きな差は生じづらいですが、厚生年金については個々人の加入期間や報酬額によって受給額が大きく異なります。

そのため、「自分のもらう年金は20万9198円より多いか少ないか」を検証する必要があります。

次に、実支出(主に食費など)が26万3718円と仮定されている点です。

これはまさに「人による」ものです。

筆者の母は帰省するたびに「どれだけ生活費を節約できているか」を楽しそうに語るのですが 、節約が習慣化している人の場合は、実支出が26万3718円を下回る可能性も高くなるでしょう。

国家公務員の退職金2000万円をベースとして老後にお金の余裕ができるかどうかは、年金の受給額や出費次第で変わりますので、今一度将来の収入・支出をシミュレーションしてみることも大切ではないでしょうか。

参考資料

石津 大希