「育休の不安」軽減するには?
育休をとるということは、職場に穴をあけるという感覚から「申し訳ない」と思えてしまう人も多いです。
しかし「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」等により、労働者の権利は守られています。
ハラスメントの防止はもちろん、制度の周知徹底も事業主に求められているのです。
そうはいっても「育休明けが不安」という方もいますよね。不安の中身は人それぞれですが、大きくは「職場の人間関係」「育児との両立」「お金の心配」に分けられます。
職場の人間関係が不安なら
人間関係の不安をあげる方も多いですが、実は育休が明けてみれば「みんな優しかったので助かった」という声もめずらしくありません。
理解も進み、肩透かしに合うことが多いのです。また周囲に助けてもらったことがある方は、「この分を次の世代にお返ししたい」と考えるもの。
自分も次の世代を助けることにより、少しずつ社内が居心地良くなっていくのが理想ですね。
また保育所によって慣らし保育期間や平日行事の数が全く異なります。「Aさんは全然休まないのにBさんだけ休む」ということも、残念ながら起こってしまうケースがあります。
それを避けるためにも、保育所の年間行事の把握は必須です。復帰前に上司と面談をする機会がありますが、保育所のスケジュールや不安な気持ちをしっかり共有することがポイントです。
育児との両立が不安なら
最初は育児と仕事の両立に慣れるのに時間がかかるかもしれません。保育所デビューで子どもも頑張っています。家族で乗り越えるために、時短家電や家事外注なども積極的に利用したいところですね。
また会社の時短制度やテレワーク制度なども日々変わるケースがあります。しっかり確認することで、両立するためのシミュレーションをしてみましょう。
病児保育や両親の手伝いなど、いざという時のお助けポイントを知っておくことも重要です。
お金が心配なら
育休中はどうしても収入が減ります。具体的には半年間が収入の67%、それ以降は50%となります。パパの育休取得や2回の分割取得は心強い一方で、収入減は不安ですよね。
ただし育児休業給付金は非課税です。社会保険料と税金の天引きはないので、手取りベースでは約8割相当の収入が確保できます。
また重要な視点として、「育休中はライフプランの中でも貯金が貯まらない時期」と割り切るのも大切です。長期のライフプランやキャッシュフローで見通しを立てれば、漠然とした不安はある程度払拭できます。
さらに育休明けに時短勤務をする場合は、「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出することも考えてみましょう。
社会保険料が安くなるため、結果的に手取り額をあげることができます。ただし傷病手当金などに響くこともあるので、必ず会社の窓口で確認しましょう。
まとめにかえて
国家公務員の育休が2回とれることとなりました。「公務員はうらやましい」と思うかもしれませんが、2022年10月には民間の会社でも2回まで分割して取得ができるように改正されます。
制度が整えば、あとはうまく利用できるかどうかです。「必要ない」と考えるのもありですが、子育ては「まさか」の連続であることも事実です。
育休中や育休明けの不安を払拭するためにも、制度についてはしっかり知っておきましょう。
参考資料
太田 彩子