「国民年金と厚生年金」みんなはいくらもらっている?
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造となっています。
「国民年金」には日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入するため、年金のベース部分であることから「基礎年金」と呼ばれることもあります。
2階部分にあたる「厚生年金」には、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入します。
国民年金のみに加入している自営業や専業主婦(主夫)などは「老齢基礎年金」を、厚生年金に加入している会社員などは「老齢基礎年金」に上乗せして「老齢厚生年金」を、それぞれ老後に受け取ります(受給資格を満たした場合)。
まずは、2021年12月に公表された厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金・国民年金事業の概況」より、国民年金と厚生年金の平均年金月額を見ていきましょう。
国民年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
厚生年金(第1号)の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
国民年金受給者の場合、平均は男女ともに5万円台です。一方厚生年金を受給している方だと、男性の平均は16万円台、女性の平均は10万円台ですね。
2つの年金制度を比べると、上乗せできる分「厚生年金の方が手厚い」といえます。
しかし、その受給額は男女で約6万円も差があるということに。実は差があるのは男女間だけではなく、個人間にも見られます。
「年金事情」のリアルに迫るため、次では受給額の分布も確認します。平均額からは見えない部分について深掘りしていきましょう。