官と民の格差を比較
年金にフォーカスをあて、公務員と会社員の違いについてまとめてきました。
最後に人事院から平成29年4月19日に公表された「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について」から、民間と国家公務員の退職給付額を比較してみます。
民間 2459万6000円
内訳
- 企業年金現価額:1453万5000円
- 退職一時金:1006万2000円
公務 2537万7000円
内訳
- 共済年金給付現価額:223万6000円
- 退職手当:2314万1000円
公務が民間を78万1000円(3.08%)上回っていることから、人事院では「官民均衡の観点から、国家公務員の退職給付水準について見直しを行うことが適切である。」との見解を示しています。
おわりに
公務員の年金制度は2015年に厚生年金へ統合されています。
しかし廃止された職域部分について、加入していた分についてはもちろん支給されます。また年金払い退職給付など独自の年金制度もあることから、大企業や公務員の特権ともいえる3階建ての制度はいまだ健在であるといえます。
官民格差の是正を目指しているため、今後格差は埋まることが予想されるものの、しばらくは「公務員の老後資金が手厚い」という状態は続くかもしれません。
そうはいっても、働き方が多様化する現代。公務員であっても転職することは珍しくなくなりました。
勤め先の年金制度に頼りすぎることなく、個人でも老後の備えを進めておきたいですね。
参考資料
太田 彩子