他の投資家が買うから大丈夫、という相互の理解も

こうして、投資家たちが日本国債を喜んで買う(嫌だけれど、他に買うものが無いから消去法でしぶしぶ買う?)ので、日本政府は資金繰りに困る事はありません。

他の投資家たちが買っているのをみた投資家は、「他の投資家も買っているから、日本政府が破産する事はないだろう。安心して買おう」と思うかも知れません。そうなると、投資家たちが「暗黙のうちにお互いに励まし合って」日本国債を買っている事になります。

金融の世界では、皆が大丈夫だと思うと本当に大丈夫で、皆がダメだと思うと本当にダメになる、という事があります。たとえば銀行の取り付け騒ぎの場合、皆が「あの銀行が倒産しそうだ」と思うと皆が預金を引き出しに行くので本当に銀行が倒産してしまう、といったケースです。

日本政府の場合には、その反対ですね。「皆で渡れば怖く無い」というギャグが昔ありましたが、投資家たちが皆で買っているから怖く無いわけです。