70代以降の年金額はいくらか
大多数の世帯において70代以降の暮らしの支えとなるのは、公的年金。では、「貯蓄が少なくても、年金でたいていのことはカバーできる」と考えてよいものでしょうか。
ここで、70代以降のひと月の年金額を見ていきます。
厚生労働省が2021年12月に公表した「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」によると、70代以降の平均的な年金額は以下の通りです。
厚生年金(第1号)の平均年金月額
※含:国民年金(基礎年金)の月額
- 70~74歳:14万5705円
- 75~79歳:15万569円
- 80~84歳:15万9529円
- 85~89歳:16万2705円
- 90歳以上:16万1506円
国民年金(基礎年金)の平均年金月額
- 70~74歳 5万7010円
- 75~79歳 5万5880円
- 80~84歳 5万6916円
- 85~89歳 5万5633円
- 90歳以上 5万554円
厚生年金と国民年金の平均額を単純比較すると、その差は10万円ほど。どちらの年金を、どのくらい受給できるかは現役世代の働き方や収入によって人それぞれです。
70代以上の平均的なひと月の年金額は、国民年金であれば5万円台、厚生年金であれば14万~15万円ほどですね。
単純計算すると、「70代前半の会社員だった夫と専業主婦だった妻」の夫婦世帯の場合、ひと月年金額は夫婦合算で約20万円です。
老後の生活費、年金で足りそう?
なお、生命保険文化センターによると、夫婦2人で老後生活を送る場合の「最低日常生活費」は月額で平均22万1000円。
また、「ゆとりある老後生活費(最低日常生活費+ゆとりのための上乗せ費用)」は、平均で36万1000万円、とされています。
公的年金収入のみで生活した場合、預貯金の切り崩しが全く必要ない、という世帯は少数派、といってよいかもしれません。
ここで頼りになるのが、現役時代からの蓄え、ということになるわけですね。