社会保険料の値上がりで手取りが減っている
社会保険料はこの30年間で値上がりしています。
健康保険料率は平成元年が8.30%だったものが、現在(令和3年度)は10%になっています。平成12年度からは介護保険料も徴収されるようになり、それも含めると11.8%になります。
厚生年金保険料率は平成元年の12.4%(第1種)から現在(令和3年度)は18.3%になっています。
<参考>
つまり、同じ年収400万円でも手取りにすると、平成元年よりも現在の方が少なくなるわけです。そこも含めて考えると、平均年収の推移のグラフの見方が変わってくるでしょう。
前出の例では、年収400万円は手取りにすると約315万円でした。これが現在の平均年収に近いと考えると、日本の所得水準の低下を感じます。
救いとしては、働き方が多様化していることで、給与所得にこだわらず、収入を得る道を探せる点でしょう。副業やパラレルワークなど、複数の収入源を持つことが当たり前になってくるかもしれませんね。
参考資料
- 令和2年分 民間給与実態統計調査|国税庁
- 標本調査結果|国税庁
- 令和3年度保険料額表(令和3年3月分から) | 協会けんぽ | 全国健康保険協会
- 給与所得の源泉徴収税額表(令和3年分)|国税庁
- 民間給与実態統計調査結果|国税庁
- 消費者物価指数 2015年基準消費者物価指数 長期時系列データ 品目別価格指数 全国 年平均 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
- 国民年金保険料の変遷|日本年金機構
- 平成30年度東京都税制調査会 第3回 小委員会
- 保険料率の変遷 | 協会けんぽ | 全国健康保険協会
石倉 博子