日本の平均年収は30年間ほぼ変わらないが、物価は?
平均年収433万円は令和2年の調査によるものですが、過去の平均年収も見てみましょう。昭和60年から令和2年までの平均年収をグラフに表しました。
平成元年に初めて400万円台になってから、日本の平均年収は30年間ほとんど伸びていません。
平成9年に467.3万円になったのをピークに徐々に下がっていき、平成21年には405.9万円まで落ち込んでいます。これはリーマンショックの影響と思われます。
そこからは少しずつ持ち直して、平成30年に440.7万円になってからは再び下がっています。
このように平成元年から多少の波はあるものの、概ね400万円台の前半で推移している日本の平均年収に対して、物価はこの30年間でどのような変化があったのでしょうか。
物価の動きを把握するための指標である「消費者物価指数」の変化を見てみましょう。
2015年(平成27年)を100とした場合の指数の変化を表しています。平成元年の88.5から令和2年は101.8まで上がっています。この30年間で物価が13.3%上昇したということです。
物価の上昇ほど給料が上がっていないとしても、13.3%ならそれほど大きな開きはないと思われるかもしれません。しかし、平均年収は税金や社会保険料が引かれる前の額面の金額です。
税金や社会保険料も上がっているので、手取りで比較した場合はさらに大きな開きとなります。