なぜ厚生年金の受給額は都道府県で差が出るのか?
厚生年金のみに都道府県の差が見られるのには、その受給額の決定方法に要因があります。
日本の年金制度は2階建てとなり、働き方によって加入する年金が異なります。
日本に住む20~60歳未満のすべての人が加入するのが国民年金(基礎年金)。そして公務員や会社員が国民年金に上乗せして加入するのが、厚生年金です。
国民年金は全員一律の保険料となるため、未納がない限りは同じ年金額になります。
それに対し、厚生年金の受給額は報酬比例制。現役時代に収入に応じた保険料を納め、その保険料や加入期間によって年金受給額が決まるのです。
そんな厚生年金は、全国平均で以下の金額が受給されています。
厚生年金の平均月額
- 平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
※厚生年金保険(第1号)の受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始 年齢の引上げにより、定額部分のない、報酬比例部分のみの65歳未満の受給権者が含まれていることに留意が必要です。
こうして眺めると、男女で約6万円もの差があることや、個人差が大きいことがよくわかりますね。
給与の高い人は高い年金を受給し、給与の低い人は年金も低くなります。
都道府県によって賃金の水準は異なるため、平均をとれば都道府県ごとに年金の受給額も異なるということです。