国公立大学の後期日程も終了し、今年の大学入試も終わりを迎えようとしています。

依然としてコロナ禍による影響でオンライン授業も珍しくなく、サークル活動もままならずせっかく実家を離れて進学しても思うようなキャンパスライフを満喫できない状況が続いています。

高校を卒業した後、故郷を離れて見知らぬ土地で外出もままならないまま1人暮らしをするのは精神的にもつらいものがあります。

また、コロナ禍による世帯年収の減少もあり地元大学や実家から通学できる大学への人気が高まってきていますが、全ての学生が地元に残るわけではありません。実家を離れて都会の大学へと進学する学生もいます。

コロナ禍以前と明らかに違う大学生活

それでは、大学進学を契機に1人暮らしをする場合はどのくらいお金がかかるのでしょうか。独立行政法人日本学生支援機構が隔年で調査している「学生生活調査」をみると、コロナ禍の影響が大きいことが読み取れます。

学生生活調査は「全国の学生を対象として、学生生活状況を把握することにより、学生生活支援事業の充実のための基礎資料を得る」ことを目的に実施されています。

昨年9月に公表された「令和2年度学生生活調査」では、2021年11月を対象に過去1年間(2020年12月から2021年11月まで)の学生の経済状況を調査。そのため、コロナ禍以前である前回調査「平成30年度」との比較ができます。

令和2年度の調査では、1年間の学生生活費(大学昼間部学生の学費と生活費の合計)は平均181万3000円でした。平成30年度では191万3500円だったことを考えると、10万500円減少したことになります。

休校による学費の返還要求も主に私立大学の学生から上がりましたが、実際に返金や減額に応じた私立大学はごくわずかであることが、一般社団法人日本私立大学連盟が昨年6月に発行した「奨学金等分科会報告書」からも明らかになっています。

約10万円減少した学生生活費にはサークル活動費でもある課外活動費も含まれており、コロナ禍による活動自粛が大きく響いていると考えられます。