住宅ローンのリスクの理解は十分か

さらに同じ調査を見ていくと「住宅ローンの商品特性や金利リスクへの理解度」も調査しています。ここでは「適用金利や返済額の見直しルール」「将来の金利上昇によって返済額がどれぐらい増えるか」について、どれくらい理解しているか質問しています。

変動金利タイプを選んだ、およそ4割から5割の人が「理解しているか不安」「よく理解していない」「全く理解していない」と回答。半数近い人がリスクを十分理解しないまま、変動金利タイプを選んでいることがわかります。

【出典】「住宅ローン利用者の実態調査」住宅金融支援機構

これを見ると、金利変動への漠然とした不安を持ちながら、詳細なルールやリスクを知らず返済額の安さにひかれ、変動金利タイプを選んでいる利用者の姿が浮かびます。

しかし借入額が大きいほど、金利上昇による返済額増の負担は大きくなります。住宅会社や金融機関のローン担当者には顧客目線のわかりやすい言葉で、金利タイプごとの仕組みやリスクについて、丁寧に説明することを期待したいと思います。

参考資料

武井 利明