女性で「厚生年金月20万円以上」の割合は?

女性の全体の受給権者数は538万3889人です。20万円以上受給している人は6万8036人。

つまり、女性「厚生年金月20万円以上」の割合は1.26%ということになります。

かなりの少数派であると言えるでしょう。

15万円以上に範囲を広げても、たった9.2%です。なぜ女性の厚生年金受給額はここまで少ないのでしょうか。

厚生年金受給額の決まり方

年金受給額の男女差や個人差が生まれる原因は、受給額の計算方法にあります。

厚生年金受給額の計算式は以下の通りです。

  • 65歳未満(特別支給の老齢厚生年金):定額部分 + 報酬比例部分 + 加給年金額
  • 65歳以上(老齢厚生年金):報酬比例年金額 + 経過的加算 + 加給年金額

報酬比例となっている部分の求め方は、厚生年金への加入時期によって異なります。

  • 平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月以前の加入月数(平成15年3月以前)
  • 平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入月数(平成15年4月以後)

いずれも、報酬額や加入月数が元になることがわかります。

現在年金を受給している世代が現役世代の頃、「女性は結婚すると専業主婦になる」という考え方が主流でした。

一旦は就職して厚生年金に加入しても、結婚や出産などで脱退してしまい、加入月数が短くなってしまうのです。

中には「一度も就職せずに結婚し、子どもが独立してからパートを始めた」という方もいるでしょう。

女性の賃金も男性より少ない時代。こうした背景が、厚生年金受給額の男女差に影響してしまったと考えられます。

逆に言えば、家庭に入らず働き続けているおひとりさま女性の場合、平均受給額よりも多くの年金が受け取れる可能性もあります。

平均だけを参考にするのではなく、自分自身の目安額も把握しておきたいですね。