ステージに合わせた対策を
70代以上の世帯では資産を守る方向で保有されていましたが30代など働く世代に関してはどうでしょうか?参考までに30代の金融資産について確認してみます。
金融資産平均 591万円
- 預貯金 261万円
- 生命保険 131万円
- 株式 69万円
- 投資信託 23万円
- 個人年金保険 40万円
- 損害保険 13万円
- 債券 5万円
- 財形貯蓄 42万円
- その他金融商品 1万円
- 金銭信託 5万円
資産保有額は70代以上に比べて少ないですが、預貯金が約44%、株や投資信託などが約16%と構成比率では70代以上の世帯とあまり違いが出ていません。
70代以上の世帯と30代世帯では時間の面で大きな違いがあります。そのため時間を有効に活用することで攻めの資産を増やしてみてはいかがでしょう。
例えば、毎月一定金額を積立てるとして「毎月3万円 20年間 年利3%」で運用できた場合、元本720万円に対して約1.3倍の約984万円。「毎月3万円 30年間 年利3%」で運用出来た場合は元本1080万円にたいして約1.6倍の約1748万円という運用結果となります。(金融庁「資産運用シュミレーション」)
このように同じ金額を同じ金利で積立てした場合は期間が長くなるほど有利になります。運用期間が長く取れない70代以上の世代では難しそうですが働く世代であればメリットを受けられそうです。もちろん運用にはリスクも伴うため出来る範囲が鉄則です。
人生100年時代を考える上でお金の問題は切り離すことはできません。70代以上の貯蓄額は世帯によって大きな差が確認できました。切り崩す資産が無いと生活レベルに大きな差が出ることが予想されます。
長い老後を乗り切るためにまずはご自身のお金事情について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
徳原 龍裕
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/ファイナンシャルプランナー/MDRT日本会会員
立命館アジア太平洋大学卒業後、自動車や通信業界にて営業職に従事。その後、ジブラルタ生命保険、株式会社ほけんのぜんぶに入社し、生命保険販売業務に携わる。生活全般に関わるお金の相談に対応が可能で、特に教育費・老後資金の準備、相続の相談などを得意とする。現在は個人向け資産運用のサポート業務をおこなう。表彰歴多数。2020年、2021年度MDRT日本会会員。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 編集長室
LIMO編集部記者/元新聞記者
担当分野
金融と社会保障分野の専門知識を生かし、主に公的年金(厚生年金保険と国民年金)、公的年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度など幅広くカバーしている。
信頼性の高い情報源をもとに、政策の変遷や最新の貯蓄トレンドを掘り下げた記事も手掛けているが、難解な情報を分かりやすく伝えることを意識している。
また、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなど、多岐にわたるテーマについて企画・編集・執筆している。
経歴
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場の大手IT企業でキャリアを開始。
その後、厚生労働省の記者クラブにて約3年間、医療保険制度や介護・高齢者福祉に特化した社会保障の専門紙で記者として働いた。
ここで社会保障分野に関する深い知識と実務経験を積み、複雑な制度の解説や政策を分析するスキルを磨いた。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営するくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、金融と社会保障分野に特化した記事を執筆している。
スタンス
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厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)などの信頼性の高い官公庁の公開情報を基に、読者が日々の生活や将来の計画に役立てられるようなアドバイスを心掛けている。
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最終更新日:2024年11月11日