まだまだ寒い日が続きますが、今年度も残り1ヵ月となりました。新しく社会人になる方や定年退職を迎える方にとって3月は新たなステージに向けた期待と不安を整理する良い機会なのかもしれません。
人生100年時代といわれる現代において、セカンドライフに対する関心は高いのではないでしょうか。一般的には「シニア世代はお金持ち」とイメージされる方が多いかもしれませんが実際はどうでしょうか。
そこで今回は一足先にセカンドライフをお迎えの70代以上のお金事情にスポットをあて人生100年時代を考察してみます。
【注目記事】「富裕層の人の特徴」を元金融機関社員が解説!資産5000万円以上のお金持ちの割合は
70代以上の貯蓄額はいくらか
早速ですが70代以上の貯蓄額を金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」を使って確認してみましょう。
- 平均 1786万円
- 中央値 1000万円
平均値は1786万円ですが、平均値は一部の大きな数字に影響を受けるため実態に近い中央値を参考にした方が良いでしょう。目安となる「老後2000万円」と比べると約半分の金額です。
続いて保有額の分布も確認してみます。
- 金融資産非保有 18.6%
- 100万円未満 4.3%
- 100万円以上200万円未満 4.1%
- 200万円以上300万円未満 2.6%
- 300万円以上400万円未満 3.0%
- 400万円以上500万円未満 2.6%
- 500万円以上700万円未満 6.5%
- 700万円以上1000万円未満 6.3%
- 1000万円以上1500万円未満 11.9%
- 1500万円以上2000万円未満 8.0%
- 2000万円以上3000万円未満 10.4%
- 3000万円以上 19.0%
- 無回答 2.6%
中央値の1000万円以上が49.3%と半数の世帯が1000万円以上の貯蓄をお持ちでした。2000万円以上をお持ちの世帯が29.4%、200万円未満の世帯も27.0%と確認出来ます。
金融庁が目安とした「2000万円」は65歳からの試算のため70歳以上で2000万円以上の貯蓄をお持ちの世帯はかなり余裕がありそうです。一方で27.0%の世帯が2000万円の10分の1に満たない結果となり、非常に大きな差が確認出来ました。
現役世代と比べると退職後の収入は少ないはずですから、切り崩す資産がなければ生活レベルに大きな差が出そうです。