フルタイムで働く子育て女性は35年間増えず

4月からは男性の育休が段階的に施行されます。産後も女性が働きやすくなるよう社会は変わりつつありますが、まだ自由にキャリアや出産のタイミングを選べるところまではきていません。

女性が産後フルタイムで働くには保育園へ預けられること、子どもの看病や通院など突発的な休みが取れること、育児との両立ができる仕事環境であること、夫の協力が得られることなどが必要となりますが、環境的には厳しい部分もあるでしょう。

共働きが主流と言われている現代ですが、子育てをしながらフルタイムで働く女性はここ35年間増えていません。

出典:内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」

 

1985年から2020年の共働き世帯の推移を見ると、妻がパートの共働き世帯は229万世帯から668万世帯へ増加。一方で妻がフルタイムの共働き世帯は、462万世帯から483万世帯へと横ばいです。

現状の仕事・育児環境では「パートタイムでは働けるけれどフルタイムで働くのは難しい」と判断するご家庭が多いと考えられます。

産後、職場に復帰できたとしても、産前と同じように仕事ができるかは分からない場合もあります。作中では産後に産前とは違う部署へ配属になった女性の先輩の話も出てきました。

また、保育園時代は仕事ができても、小学校への入学でパートに転換したり仕事を辞めたりする場合もあります。いわゆる「小1の壁」ですが、小学生だと学童への迎え時間が早くなることが多く、また宿題を見たりする必要もあるため仕事と育児の両立が難しくなります。

20代までは好きにキャリアが選べても、産後は自由にキャリアが選べないかもしれない。仕事と育児の両立は大変だけど、キャリアダウンしたりブランクがあれば元のような働き方はできないかもしれない。生活の基盤となる仕事の部分が不確定になれば、不安も感じますよね。

いずれにせよ、結婚、出産、キャリアともに経験しなければわからない部分もあるため、まだまだ女性の30歳の人生設計は難しいといえます。