わからなければ放置せず問い合わせを

今回解説したケースはあくまでも一例です。実際には65歳よりも前に年金を受給している方や、老齢基礎年金か老齢厚生年金のどちらかのみを繰り下げ受給する方など、さまざまなケースが考えられます。

いずれにしても、これらの年金はすべて「申請制」であることを知っておきましょう。

受給権が発生しても、申請せずに待っているだけでは受給できないのが年金なのです。

手続きは一見ややこしく感じることもあるかと思いますが、放置していては最悪「時効」となるケースも。

時効は5年と決められているため、不明点があれば必ず最寄りの年金事務所に問い合わせましょう。

老後のことはしっかり考えておく

年金請求書について解説しました。

年金が申請制であることは、意外に知られていません。こうした公的制度については、日頃から情報を仕入れておくことが必要になるでしょう。

また、2022年4月からは繰り下げ受給の可能年齢が75歳まで選択できるようになります。

受給額を増やしたい人にとっては魅力的な改正ですが、そこまで無年金で過ごせるのかという不安もあるでしょう。

老後の生活は、年金だけでまかなえるものでもありません。繰り下げ受給をするかしないかに関わらず、それまでにしっかり老後の資金を貯めておくことが大切です。

「70歳以降も働き続ける」ことを目標にすることも大切ですが、一方でもし働けなくなったときのことも視野に入れて、十分な備えをしておきたいですね。

備えとは預貯金だけを指すわけではありません。保険や資産運用なども視野にいれて、バランス良く備えていきましょう。

参考資料

LIMO編集部