退職金だけで老後の準備は大丈夫か?
2019年には老後2000万円問題が世間で大きなニュースになりました。
夫婦が老後30年間を過ごすために必要なお金は、公的年金を除いて2000万円必要だといわれ、大きな話題となりました。
では、退職金が2000万円以上もらえるであろう国家公務員は、老後の対策が不要だといえるのでしょうか。
こたえは「ノー」です。
理由は2つあります。
まず1つ目の理由は、「全員が一律で2000万円が必要」だというわけではないからです。
2000万円の根拠となった老後の生活費には、実は介護費用や住居費用は含まれていません。
住居が賃貸の方や、購入した方でも住宅ローンが残っている場合は、更に費用が必要となるケースが考えられます。
また、生活水準も人それぞれです。
現在の生活費や望む老後の生活から逆算して、「自分にはいくら必要か」を把握することが大切です。
2つ目の理由は、「定年まで元気で健康なまま勤められる保証はない」からです。
病気や介護、やむを得ない事情がある場合、思っていた退職金額を受け取れない可能性もあります。
万が一の事態を想定して、余裕をもった老後資金の準備が必要だといえます。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。
たしかに国家公務員の退職金は、定年まで勤めた場合などには非常に大きな金額が受給できる可能性が高いといえます。
それでも人生は何が起きるかわかりません。
色々なケースを想定して、きちんと自分自身の将来を守れるように準備をしておくことをおすすめします。
参考資料
荻野 樹
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士
大阪市立大学経済学部卒業後、教育業界を経て、メットライフ生命保険株式会社、株式会社ほけんのぜんぶ入社。生命保険販売を通じ、FPとして主に子育て世代の資産形成や老後資金準備に関するコンサルティングをおこなう。専門用語を使わず丁寧で分かりやすいアドバイスが強み。現在は個人向け資産運用のサポート業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員(証券外務員一種)、宅地建物取引士の資格を保有。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 編集長室
LIMO編集部記者/元新聞記者
担当分野
金融と社会保障分野の専門知識を生かし、主に公的年金(厚生年金保険と国民年金)、公的年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、マイナンバー制度など幅広くカバーしている。
信頼性の高い情報源をもとに、政策の変遷や最新の貯蓄トレンドを掘り下げた記事も手掛けているが、難解な情報を分かりやすく伝えることを意識している。
また、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなど、多岐にわたるテーマについて企画・編集・執筆している。
経歴
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場の大手IT企業でキャリアを開始。
その後、厚生労働省の記者クラブにて約3年間、医療保険制度や介護・高齢者福祉に特化した社会保障の専門紙で記者として働いた。
ここで社会保障分野に関する深い知識と実務経験を積み、複雑な制度の解説や政策を分析するスキルを磨いた。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営するくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、金融と社会保障分野に特化した記事を執筆している。
スタンス
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最終更新日:2024年11月11日