満足度の頭打ちは「金融資産残高」でも

「金額があがるほどに満足度はあがるものの、一定金額を超えると満足度が下がる」という現象は、年収以外でも見られました。

それが、世帯金融資産残高。金融資産の残高と満足度の相関関係でも、同調査からは同じ傾向が読み取れるのです。

出所:内閣府 満足度・生活の質に関する調査(2019 年調査・2020 年調査)

  • 300万円以上500万円未満:4.67
  • 500万円以上700万円未満:4.91
  • 700万円以上1000万円未満:5.08
  • 1000万円以上2000万円未満:5.42
  • 2000万円以上5000万円未満:5.83
  • 5000万円以上1億円未満:6.47
  • 1億円以上3億円未満:6.88
  • 3億円以上:5.97

資産残高が高くなるほどに満足度はあがりますが、そのピークは1億円以上3億円未満。ここを過ぎると、逆に満足度は下がることがわかりました。

実は、このように「家計と資産」と「満足度」の関係は一定の金額で頭打ちとなる現象が、他の先進国でも観察されています。

年収が1億円を超えると、日本の所得税率は45%にも上ります。税負担が高まることが、満足度に関わっている可能性もあります。

また会社員で年収1億円に届くのは難しいため、経営者や個人事業主などが多くを占めるでしょう。

決められた時間内の労働とはならず、プライベートとの両立が難しいことも考えられます。こうしたことが、少なからず満足度へ影響していると考えられます。