公的年金額は、年金保険料を積み立てれば積み立てるほどたくさんもらえると思っていませんか?
実は、状況によっては年金額が減ることもあります。
どうして引き下げが起きるのでしょうか?
今回は、年金の仕組みを確認するとともに、実際年金がどのくらいもらえるのかを見ていきましょう。
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年金の仕組みをおさらい!
最初に「2階建て構造」などと呼ばれる、日本の年金制度の基本をおさらいします。
現役時代に加入する年金制度によって、老後に受け取る年金も変わります。
- 1階部分「国民年金」:日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務
- 2階部分「厚生年金」:公務員や会社員などが「国民年金」に上乗せして加入
老後は、「国民年金」だけに加入している人は、「老齢基礎年金」のみの受給となります。
「厚生年金」に加入していた人は、「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」の受給となります。
また、ねんきん定期便などで確認できる年金額はあくまで見込額です。
実際には年金額は毎年改定があり、年金額改定には一定のルールがあります。
今回は年金の改定のルールも確認しておきましょう。
年金改定は、新規裁定者(68歳到達年度前の受給権者)と既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)に分けます。それぞれの改定式を確認してみましょう。
① 新規裁定者の計算式(賃金スライド)
年金額 = 前年度改定率(再評価率) × 賃金変動率 × マクロ経済スライド調整率
② 既裁定者の計算式(物価スライド)
年金額 = 前年度改定率(再評価率) × 物価変動率 × マクロ経済スライド調整率
※物価変動率が賃金変動率を上回る場合は、賃金変動率に置き換える
今回の年金額引き下げは、賃金変動率が▲0.4%のため、新規裁定者の年金額が0.4%引き下げとなったんですね。