米国株高が続いています。トランプ政権が発足してからまだ1か月ということは忘れるべきではありませんが、その背景には景気回復があることは間違いないと考えられます。また、こうした局面でどのような株に注目すればいいのかも考えてみたいと思います。

トランプ政権の実力が試されるのはこれからが本番

「節分天井、彼岸底」という投資格言を全く無視するかのように、アメリカの株式市場は2月中盤となっても依然として好調です。

2月3日の「節分の日」から2月22日までの13日間の営業日でNYダウ平均が下落したのはたった3日間だけであり、2月9日からは9連騰を記録しています。一方の日経平均はNYダウほどの勢いはありませんが、直近の水準は「節分の日」を上回って推移しています。

そこで気になるのが米国の株高が今後も継続するかですが、以下の記事にまとめられているように、トランプ政権発足後、「公約の実現はまだ少なく、大統領令によって政策を推し進めるやり方にも限界が見え始めている」ということには注意が必要でしょう。

こうした懸念を払しょくするほど経済のファンダメンタルズが好調であるということかもしれません。ただ、政権発足からまだ1か月しかたっておらず、トランプ政権の運営能力が試されるのはこれからが本番であるという点を意識しておくことが重要であると思われます。

出所:第139回 トランプ政権1か月の成績(楽天証券)

米国株はなぜ強い? そのヒントとなる中国の経済データ

株高に対して様々なリスクが指摘されているものの、それでも株高が続いているのには、やはり景気の強さが背景にあると考えられます。そのことを実感させるのが最近の中国の経済統計です。

この記事では、2017年2月に中国税関総署が発表した1月の貿易統計や、2月14日に中国国家統計局が発表した1月の生産者物価指数(PPI)が紹介されていますが、いずれも市場予想に対して上振れています。

特に興味深いことは、1月の貿易統計に見られる輸出が米国、欧州、日本向けに改善しているなど、世界景気の回復が読み取れることです。また、生産者物価指数(PPI)も上昇傾向にあり、資源価格の回復が数字に表れてきたことも注目されます。株高の背景には、こうした経済のファンダメンタルズ回復もあることを理解しておきましょう。

出所:最近の中国通商データ事情(ピクテ投信投資顧問)

景気回復局面で株を買うためのプロセス、アプローチとは?

では、このような景気回復局面ではどのような日本株を買えばよいのでしょうか。

一般的には、こうした局面では米国向けの輸出比率や米国での事業比率が高い自動車・タイヤ・電機・機械などの「景気敏感株」が注目されます。以下の記事では、注目セクターとして「タイヤ」セクターを、具体的な銘柄としてはブリヂストンを取り上げています。

その理由としては、1)新車販売変動の影響が小さい、2)相対的には米保護主義のターゲットとなりにくい、3)タイヤの需要は、次世代の環境車がハイブリッド、電気自動車のどちらが主流になったとしても安定して続く、などが挙げられています。

皆さんも、この記事からトップダウンで注目セクターを探し、そこから具体的な銘柄を選別するプロセスやアプローチの仕方を学び、ご自身で有望な銘柄を探してみてはいかがでしょうか。

出所:米景気敏感株を見直し ブリヂストンはトヨタより有望?(楽天証券)

なお、銘柄選別にご関心のある方は、個人投資家向け金融経済メディアLongine(ロンジン)のレポート『【ブリヂストン(5108)2016年12月期決算。2017年12月期の会社予想は概ね妥当だが好材料もあり】』もご参考にしてみてください。

LIMO編集部