「日本は公的保障が手厚い国」というイメージをお持ちの方も多いのではないかと思います。

実際に、生活インフラが整備され、多くの人が義務教育や医療を受けられる恵まれた国でしょう。

ところが、年金制度においてはDランクであるとマーサーCFA協会「グローバル年金指数ランキング(2021年度)」で発表されました。

本記事では、最新版の年金受給額とあわせて、日本の年金制度の置かれる状況をみていきたいと思います。

世界の年金制度、アジアでDランクは日本を含む5カ国

グローバル年金指数は、世界人口の約3分の2を占める43カ国・地域の年金制度を比較検証しています。

各国の年金制度を「持続性・十分性・健全性」から成る指数で測定した結果、アジアは全体的に世界に遅れをとっているようです。

なかでも、アジアでDランクとなったのは以下の5カ国です。

  • 日本(49.8)
  • 韓国(48.3)
  • インド(43.3)
  • フィリピン(42.7)
  • タイ(40.6)

ちなみに、中国は「世界でもっとも改善がみられた」として従来のDランク(47.3)からCランク(55.1)に格上げされています。

出生政策や、定年の段階的な引き上げ・国家主導の保障を補完する年金制度の整備などが高く評価されたようです。

一方、タイは世界全体における最低指数値(43位)であり、日本は9.2ポイントの差があるといえど同じDランク(36位)に属しているのです。