日本では「日本語」という参入障壁がありますので、個人は必ずしも国際競争に晒されてこなかったように思います。海外でも、母国が経済大国であったという過去の栄光を引きずって、もうしばらくは生きていけそうです。私のような者でもまだ何とか海外で生きられています。
しかし、それに甘えていては個々人の競争力が鍛えられません。将来、万一、日本の経済力や国際競争力がさらに低下していけば、本社機能の一部または全部を海外へ移してしまう日本企業も出てくるかもしれません(例:楽天など)。
そんな世の中になれば、日本国内でも「日本的サラリーマン」は過去の遺物となり、普通のサラリーマンでも「フリーランサー型の意識は独立系社員」への進化を求められるでしょう。やはり将来は、今まで以上に個を磨いていく必要に迫られそうです。
一方、長期的観点から、起業家として、あるいは、専門家/フリーランサーとして“日本村”を飛び出し、海外でビジネスをやっていこうという方は、卓越したスキル/専門性や英語力の他に、非日本人を相手に海外で生き抜こうという「気概」と「適応力」も重要な要素になってくるかもしれません。
大場 由幸
執筆者
SME Financial Architect x Fintech x Frontier Markets
新潟大学法学部卒業、フィンランドAalto大学 Executive MBA取得、英国オックスフォード大学 Fintech課程修了、米国マサチューセッツ工科大学 AI課程修了。中小企業金融公庫(神戸、宇都宮、東京)、在ベトナム日本国大使館(ハノイ)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京)、東京中小企業投資育成(東京)を経て、2008年4月、クロスボーダー・ジャパン(株)代表取締役社長(東京&シンガポール)に就任。日系中堅・ベンチャー企業のアジア戦略・財務を支援する傍ら、新興アジア諸国にて多数のSME金融関連プロジェクトに従事し、マレーシア信用保証公社 JICAアドバイザー(クアラルンプール)、ベトナム信用情報センター 世界銀行コンサルタント(ハノイ)、インドネシア経済調整庁 MSME金融包摂アドバイザー(ジャカルタ)、ミャンマー経済銀行 SMEファンド助言チームリーダー(ネピドー&ヤンゴン)等を歴任。現在、エンジェル投資家/アドバイザーとして複数のフィンテック企業(ロンドン、ニューヨーク等)の経営に関与。ポルトガル政府公認ビジネスエンジェル(アヴェイロ拠点のエンジェル投資家団体REDangelsに所属)。APEC関係機関であるPBEC(太平洋経済委員会)メンバー。マレーシア在住、エストニア居住。