住宅ローン控除(減税)は「所得税」だけの減税制度だと思っていませんか?
実は、所得税だけで控除しきれなければ「住民税」からも一部控除されます。しかし、住民税から控除される金額には上限があり、2022年度税制改正によりこの上限が引き下がりました。
今回の税制改正では、住宅ローン控除の控除率が「1%」から「0.7%」に引き下げられたことばかり取り沙汰されていますが、住民税の控除限度額が引き下がったことによる影響も決して小さくありません。
住宅ローン控除(減税)の仕組み
住宅ローン控除は、住宅ローンを借り入れてマイホームを購入した人の金利負担を軽減する目的で作られました。基本的には「所得税」を減税する制度です。
税制改正により、2022年の年間最大控除額は次のようになっています。
【新築および消費税課税住宅】
- 認定住宅:35万円
- ZEH水準省エネ住宅:31.5万円
- 省エネ基準適合住宅:28万円
- 一般住宅:21万円
【消費税非課税中古住宅】
- 認定住宅:21万円
- 一般住宅:14万円
上記控除額を上限に、住宅ローン借入残高の「0.7%」が優先的に所得税から控除され、控除しきれない分が住民税から控除されます。
たとえば、住宅ローン残高が4,500万円、新築のZEH水準省エネ住宅の最大控除額は「31.5万円」です。年収600万円で所得税が「21万円」と仮定すると、所得税を全額控除しても「10.5万円」が控除しきれません。このような場合に限り、所得税のみならず住民税からも控除されるという仕組みです。
しかし、住民税からの控除額上限は2022年度税制改正により引き下がっているため、このケースでは全額控除されることはありません。