70代以上「老後の貯蓄ゼロ世帯」は何割か
問題は、貯蓄が全くない「貯蓄ゼロ」世帯の割合です。同資料から抜き出してみましょう。
70歳代以上・二人以上世帯のうち、金融資産非保有(貯蓄ゼロ)世帯は18.6%です。つまり、70歳代以上の約2割は貯蓄が全くないということになります。
70歳以上はすでに貯金を切り崩して生活する人も含まれますが、それでも貯蓄ゼロというのは心もとなく思えます。
貯蓄額300万円未満に広げると約3割。一方、2000万円を超える世帯も約3割です。老老格差は貯蓄額の分布からもわかりますね。
同調査によると、70代以上世帯の「資産が減る」理由は、「金融資産が1年前よりも減少した」の31.4%。さらに減少した理由は、「定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから(40.2 %)」「耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから(35.9 %)」と続きます。
生活費を切り詰めていても、突発的な支出は発生します。そんな時、貯蓄が少ないと不安に感じるでしょう。
年金のマイナス改定が続く昨今。お金の不安として「老後」が出てしまうのも、この結果を見ると納得できます。