背景3. 寄与度の高い業務・銘柄の下落
背景の3つ目は、「寄与度の高い業務・銘柄の下落」です。
ここで、日経平均とTOPIXの値動きも見てみます。
どちらも下落してはいますが、日経平均の方が、下落率が大きいことが分かります。
ちなみに2021年末の終値と比較した下落率は、日経平均が9.2%、TOPIXが7.6%となります。
なぜ、日経平均の方がより値下がりしたのでしょうか。
ここで、東証33業種の直近1カ月の業種別騰落率ランキングを見てみましょう。
※数値は2022年1月27日終値ベース
こうして見ると、サービス業、電気機器、精密機器、金属製品の下落率がそろって10%を超えており、大きいことが分かります。
電気機器、精密機器、金属製品は俗に「外需景気敏感業種」とまとめられるように、業績が海外動向に大きく左右される業種です。
上記したドル円相場の影響も大きく受けることになります。
ちなみにサービス業はそれ自体が外需景気敏感業種ではないですが、時価総額首位のリクルートホールディングスが米国展開を活発にしていることから、2021年末終値対比で27.0%も下落したことが響いています。
次に、業種別で見た日経平均採用銘柄社数を見てみます。
※直近1カ月で10%以上下落した業種には色をつけてあります
こうして見ると、大幅安となった業種の中でも、電気機器の銘柄数が群を抜いて多いことが分かります。
日経平均採用銘柄は225社なので、1割以上が電気機器の銘柄ということになります。
次に、日経平均株価への寄与度の高い銘柄上位50社を見てみましょう。
※直近1カ月で10%以上下落した業種には色をつけてあります
上位50社の中に電気機器の銘柄が13社含まれていることが分かります。
割合でいうと、実に26%にのぼります。
つまり、電気機器業種の大幅安は、日経平均にとっても非常に大きな重しになったということです。
ちなみにTOPIXは算出方法が異なるので、日経平均とは異なる寄与度となります。