背景2. 円高ドル安の進行
背景の2つ目は、円高ドル安の進行です。
ドル円相場は2022年に入って、右肩下がりで推移してきました。
為替レートと金利には深い関係があり、金利の上昇は、短期的にはその国の通貨の買いにつながるケースが多いです。
米金利が上昇するケースでいえば、理屈としては「円安ドル高」の動きとなります。
しかし、日本円はリスク回避資産として買われる傾向が強く、今回のような株式市場の暴落を伴うような場合は、リスク回避の買いが優勢となって「円高ドル安」が進むケースもあります。
今回はおそらくこういった事情で円高ドル安が進んだと考えられます。
では、なぜ円高ドル安が今回の暴落につながったのでしょうか。
皆さんもニュースなどで「円高を受けて日経平均が下落した」といったニュースをご覧になったことがあるのではないでしょうか。
日経平均株価に採用されている銘柄には海外での売上規模が大きいものも多いです。
円高の進行はこういった企業にとって、海外でモノを売りづらくなったり、外国通貨建ての資産価値の目減りにつながったりしてしまいます。
多くの企業でこういった業績悪化の懸念が強まることで、株式市場では売りが出やすくなります。
監修者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03