背景2. 円高ドル安の進行

背景の2つ目は、円高ドル安の進行です。

ドル円相場は2022年に入って、右肩下がりで推移してきました。

為替レートと金利には深い関係があり、金利の上昇は、短期的にはその国の通貨の買いにつながるケースが多いです。

米金利が上昇するケースでいえば、理屈としては「円安ドル高」の動きとなります。

しかし、日本円はリスク回避資産として買われる傾向が強く、今回のような株式市場の暴落を伴うような場合は、リスク回避の買いが優勢となって「円高ドル安」が進むケースもあります。

今回はおそらくこういった事情で円高ドル安が進んだと考えられます。

では、なぜ円高ドル安が今回の暴落につながったのでしょうか。

皆さんもニュースなどで「円高を受けて日経平均が下落した」といったニュースをご覧になったことがあるのではないでしょうか。

日経平均株価に採用されている銘柄には海外での売上規模が大きいものも多いです。

円高の進行はこういった企業にとって、海外でモノを売りづらくなったり、外国通貨建ての資産価値の目減りにつながったりしてしまいます。

多くの企業でこういった業績悪化の懸念が強まることで、株式市場では売りが出やすくなります。