2000万円クリアで終わりじゃない
老後2000万円問題は、その数字ばかりが一人歩きした印象があります。達成できていなければ不安を煽りますし、達成できれば安心というわけでもないでしょう。ただ、老後資金を考える良いきっかけにはなりましたね。
はじめに確認した通り、老後の旅行やリフォーム、介護費用はまた他で用意する必要があります。別途必要になるこれらの金額は、定年前からある程度予測はつくもの。老後は「旅行をしたい、趣味を楽しみたい」と考えたり、「リフォームしたり、介護が必要になったら施設に入る必要がある」のであれば、その分の金額も大きくなるため早いうちから備えるといいでしょう。
ついつい後回しにしがちな老後資金ですが、その対策はいつからでもはじめられます。先取り貯金で自然と貯まる仕組みを作る、運用を取り入れてお金を増やす、不労所得を作る、老後も続けられる仕事を見つけるなど、ご自身に合った対策を一つずつはじめていきましょう。
資産運用であれば、老後に入っても続けることは可能ですし、資産寿命を伸ばせる可能性もあります。リスクもありますが、きちんと情報収集をした上で検討するのもいいでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
宮野 茉莉子