ほんとうに2000万円必要なのか
先ほどの貯蓄額では2000万円に達していない方が多数でした。ほんとうに2000万円必要なのか、「老後2000万円問題」の試算のもととなった金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」からくわしいひと月の収支を確認しましょう。
上記を見ると、ほとんどが年金を占める収入が20万9198円です。
年金の受給額は個人差が大きくなります。厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金のみの平均額は5万6252円。厚生年金は男性平均で16万4742円、女性平均で10万3808円です。あくまで平均額なので、ご自身の受給予定額をねんきんネットなどで確認しましょう。
細かく見ると、収入には勤め先の収入なども入っています。「いつまで働くか」ということも、老後資金には大きく関係しそうですね。明確に決めることはできませんが、ある程度考えておくといいでしょう。また、収入の中に「不労所得」を取り入れて対策をとるのも一つの方法です。
支出を見ると、多くを占めるのが食料や交通・通信、教養娯楽、光熱・水道などです(その他の消費支出や非消費支出を除く)。このあたりはご家庭により差が出るところ。無理のない範囲でどれくらい抑えられそうか、工夫ができそうかなどを考えるといいでしょう。
急に生活水準を変えることは難しいですから、老後に向けてだんだんと節約をしたり、出費を抑えたりする習慣作りをはじめると継続できそうです。
このようにみると、ほんとうに2000万円必要かは個人差が大きいですし、工夫次第で必要額を抑えることも可能でしょう。逆に上記は住居費が1万円台で計算されていますので、賃貸にお住まいの方は月の不足分が増える可能性もあります。
平均を参考にしたら、わが家の場合を考えてみましょう。