産業別の違いはどれくらいか
もう一点確認したいのが、主な産業別の雇用形態や性別による賃金格差です。
上記を見ると、たとえば「建設業」の男性の正社員・正職員は34万8900円、女性の正社員・正職員は25万5000円。
「正社員・正職員以外」でみると男性は30万600円で、「雇用形態間 賃金格差(正社員・正職員=100)」は86.2 。女性は21万5400円で雇用形態間の賃金格差は84.5です。 建設業の場合は「雇用形態間 賃金格差」が80代ですね。
一方で、「卸売業、小売業」の男性の正社員・正職員は36万円、女性の正社員・正職員は26万4600円。
「正社員・正職員以外」でみると男性は22万1800円で、雇用形態間 賃金格差は61.6 。女性は17万9600円で雇用形態間の賃金格差は67.9です。 「卸売業、小売業」になると雇用形態間の賃金格差が60代になります。
上記を見ると男女差に加えて、産業別に雇用形態間による賃金格差もみられるとわかります。
格差は続くも社会は変化しつつある
男女の賃金格差について、その推移や雇用形態、年齢、産業などから確認しました。さまざまな観点から比較してみても、女性は男性より賃金が低い傾向にあります。
一方で、今回岸田首相が男女の賃金格差是正に向けて有価証券報告書の開示項目にすることを検討するとしたように、社会全体ではその差を是正する動きが見られます。
女性は育児や介護により離職することが多く、それにより賃金の影響を受けやすいのも事実ですが、今では共働き世帯が主流など時代は変化しつつあります。引き続きこの動向を見守りながら、ご自身のライフプランやキャリアについても考えていきましょう。
参考資料
宮野 茉莉子