資産寿命を伸ばすことも考えよう
70代の貯蓄と老後資金の使い始めを見てきましたが、ご紹介したのは平均額です。家にいる機会が増える今、いくら貯蓄があり、老後にいくらくらい必要なのか、自分の場合で考えて見るといいでしょう。
ただ、貯蓄を増やしたいと思っても、急に収入を増やしたり、支出を減らすことはなかなかできません。お金については「稼ぐ」「貯める」「使う」などと捉えがちですが、「育てる」という視点ももつといいでしょう。
お金を育てて、資産寿命を伸ばすためにも効果的なのが資産運用です。資産運用には「よくわからない」「リスクが怖い」というイメージが先行し、なかなか始められない方も多いかもしれませんね。
ただ、auじぶん銀行株式会社が 2021年11月8日~10日のあいだ、全国の20~50代の働く女性500名に行った調査「お金への意識と投資」で投資をしているか聞いたところ、「現在している(35.0%)」「過去にしたことがある(9.4%)」をあわせると、約4割の女性に投資経験があると分かりました(2021年12月14日公表)。
具体的に何をしているのかというと、「株式(50.3%)」「投資信託(42.9%)」「つみたてNISA(36.6%)」という結果に。
つみたてNISAは投資信託と上場株式投資信託(ETF)の中から自分で選んで、毎月一定金額を積み立てるもので、運用益が毎年40万円まで、20年間(非課税投資枠は20年間で最大800万円)非課税になる制度です。
つまり、株式や投資信託などを中心に投資している方が多いのですね。
運用には元本保証がないのでリスクはあります。ただ投資信託を毎月一定額積み立てていく積立投資であれば、投資対象や買付時期を分散できるので、リスクもある程度抑えることはできるでしょう。
利息に利息がつく複利の力で、長期間運用するとお金を育てていくことも可能です。
老後資金対策には預貯金を貯めるだけでなく、一部を運用することでお金を育てていき、資産寿命を伸ばすことも考えるといいでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 公益財団法人生命保険文化センター「『老後』とはいつから?」
- PRTIMES「働く女性のお金の意識と投資に関する調査 コロナを経て堅実に!?冬のボーナスの使い道は「貯蓄」派が最多 お金への不安が高まった人は7割以上で、不安解消のために今後やりたいこと1位に「投資」がランクイン」
宮野 茉莉子