思わぬ値段がつくことがある
流動性が低いことは、株価にも影響を与えます。
そもそも論になりますが、株価とは、日々多くの投資家がそれぞれの見立てのもと売買することで形成されます。いわば株価は「市場に参加している全投資家の見立ての平均値」と捉えることができ、当然、売買する投資家が多ければ多いほど、株価の妥当性は高くなります。
「アンケートは参加者の人数が多ければ多いほど、説得力が高い」という考え方に似ているかもしれません。
しかし、売買する投資家が少なくなるとどうなるでしょうか。突拍子もない見立ての投資家が極端に高いまたは安い値段での注文を出し、歪んだ株価がつけられてしまうかもしれません。
もちろん、極端に安い値段で買うことができれば、それは大きな投資チャンスとなるでしょう。
しかし、その逆も然りで、高値掴みとなってしまう可能性もあります。PTSにはこういった価格面でのリスクもあることを覚えておきましょう。
まとめ
夜間も取引ができるなどのメリットのあるPTSですが、裏には今回説明したようなリスクもあります。
簡単に利用できるサービスではありますが、事前にリスクもしっかり把握してきましょう。
参考資料
石津 大希
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)に入社し、現在はコンテンツ編成本部マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
最終更新日:2024/09/04