鉄鋼株よりも他の業種がいい?
上記の通り、日本製鉄にはいくつかの大きなポイントがあります。
ここで振り返りたいのは、先ほど解説した「業界再編の機運」です。
再編となると、日本製鉄のような大きな会社が小さな会社を取り込む流れとなります。大きな会社にとっては、事業を拡大させながら、合理化を通じて利益率を改善させられるといったメリットがあります。
しかし、投資家からすると小さな会社の株式を持っておいた方がいい場合もあります。
再編はTOBを通じて株式が買い集められて成立していくのですが、その際、買われる側の株価は大きく上昇するケースが多いです。要するに、大きなキャピタルゲインが期待できるということです。
また、日本製鉄のような大きな会社の場合、上記の通り独禁法の観点から施策に制限がかかることもあります。
鉄鋼業界に追い風が吹く中、国内最大手の日本製鉄をつい注目しがちなのはわかりますが、こういった点も踏まえ、小さいプレーヤーの株に投資しておくことも、選択肢として考えてみるといいでしょう。
参考資料
- 世界粗鋼生産統計(world steel ASSOCIATION Crude Steel Production)
- 世界粗鋼生産10.6%減 10月、電力制限で中国が減産
- 2022年3月期第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2021年11月2日)
- 日本製鉄グループ中長期経営計画
- ESG投資のための株価指数「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に4年連続で採用
- 東京製綱株式会社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
- 東京製綱株式会社株式の一部処分(予定)に関するお知らせ
石津 大希