日本最大手の鉄鋼メーカーである日本製鉄。
マザーズに上場しているキラキラした新興IT企業と違って、重厚長大・伝統的な企業といったイメージを持たれている人も多いと思います。
コロナをきっかけに事業環境は厳しいように見えますが、実は日本製鉄の株価は足元で強い動きを見せているのです。
今回はその動向・理由を解説しながら、投資のヒントもご紹介しようと思います。
日本製鉄の株価は急速に持ち直し!
まずは、コロナ禍前(2020年1月)を起点として、日本製鉄の株価とTOPIXのパフォーマンスを比べてみましょう。
上の図は、2020年の大発会(初取引日)である2020年1月6日の終値を100として値動きを指数化したグラフです。
こうして見ると、日本製鉄の株価パフォーマンスはコロナ禍において2021年2月頃までTOPIXを下回ってきました。
コロナの影響を受けて国内外の経済活動が停滞する中、「ザ・景気敏感企業」ともいえる日本製鉄の株が売られるのは容易に想像できますね。
しかし、ずっと軟調な動きを見せていたわけではありません。
2020年10月頃からの株価持ち直しの勢いは強く、2021年3月頃にはパフォーマンスはTOPIXと並び、それ以降は大きく上回る局面も見られました。
一体、何がこんなに買いを呼び寄せているのでしょうか。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03