セコム株式会社が実施した「老後の不安に関する意識調査」によると、老後について何らかの不安を感じる(感じた)人は全体で83.8%。
「病気やケガなどの健康不安」「経済的な負担に関する不安」「介護に関する不安」などが上位に挙げられています。
時間的なゆとりが増えるなか、心配ごとは増えていきますね。
今回は、老後の暮らしを支える公的年金のうち、サラリーマンが受け取る厚生年金の最新受給額事情や、老後に備えた資金作り(※編集部注)について考えます。
【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法
【男女別】厚生年金の受給額事情「ひと月15万円超」は何パーセント?
日本の公的年金制度は現在の年金は2階建て、などといわれますね。
1階部分:「国民年金」日本国内に住む20歳~60歳未満の全員が加入
2階部分:「厚生年金」会社員、公務員、私学教職員等が上乗せで加入
今回は、2階部分にあたる「厚生年金」の男女別受給額を確認します。
厚生年金は現役時代に収入に応じた保険料を給与天引きで納付するしくみです。老後の受給額には、おさめた保険料、そして年金加入期間が反映されます。
よって、受給額には個人差が生じます。そこで平均額だけでは見えない部分も含め、詳しく見ていきましょう。
厚生労働省年金局の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、最新のデータをご紹介していきます。
厚生年金保険(第1号) 平均年金月額
※厚生年金保険(第1号)の平均年金月額には老齢基礎年金月額が含まれます。
男女計 平均年金月額:14万4366円
- 〈男子〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女子〉平均年金月額:10万3808円
男女全体で「ひと月15万円以上」の割合は、男女全体で約46%と半数近くですね。これを男女別にみると、男子は約65%、女子はわずか約9%です。
いまと比べて共働き夫婦が少なかった世代。そもそも女性で厚生年金を受給する人の数自体、少ないわけです。また、今以上に男女の間の賃金大きな格差があったことも、この受給額事情の背景にあるといってよいでしょう。
働き方が多様化するこんにち。私たち現役世代が年金を受給するころには、男女の年金差は縮小傾向に向かっていることが推測されますね。