2021年12月20日に日本銀行が発表した資産循環統計(速報)によると、2021年9月末時点での家計の金融資産は1999兆8000億だそうです。内訳としては現金預金が半分以上を占めています。やはり日本の預貯金信仰は強いものがありそうですよね。
とはいえ最近は株式や投資信託などの投資をして配当を得ている方も増えつつあります。そこで今回は、株式投資等をした際に配当金を得たらそれはどのような所得に該当するのか、また申告が必要なのかについて解説したいと思います。
配当所得とは
まずは配当金が所得になるのかという点ですが、配当金は所得になります。所得税法では所得の種類を10種類に分類しており、配当金は「配当所得」という所得に分類されます。
配当所得とは株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当、剰余金の分配などのことをいいます。わかりやすくいえば、企業に投資した見返りとしてもらう分配金のことです。株式を買ったり投資信託をしたりした際に配当金として受け取ったもの、それが「配当所得」と呼ばれるものです。
持っていた株式を売ったときに得られる利益は「株式の譲渡所得」になりますので、配当所得とは違います。
配当金は申告が必要なのか
ここで気になるのは「配当所得は申告が必要なのか」という点ではないでしょうか。筆者が国税職員だったころにも申告が必要か判断がつかず相談されるケースが多くありました。
配当所得は原則確定申告が必要とされていますが、申告不要になるケースもあります。そもそも配当所得は支払の際に源泉徴収されており、上場株式の配当については所得税及び復興特別所得税が15.315%、地方税が5%徴収されています。よって、上場株式の配当はご自身の判断により申告をしない「確定申告不要制度」を選ぶことができます。
しかしながら、申告することで税金が戻ってくる場合があります。それは所得税が累進課税であることと、配当控除が受けられるためです。