お得な制度の代名詞ともいえるふるさと納税。2008年にスタートして以来ずっと注目を集めています。筆者が確定申告事務に従事していたときに多く寄せられた質問のひとつが「ふるさと納税」に関するものでした。

そこで今回は、ふるさと納税の基本やメリットデメリットについてお伝えします。

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、生まれ故郷やお世話になった地域、応援したい都市など自分が選んだ自治体に貢献するための制度です。「納税」という名前がついていますが「寄附金」として扱われ、「寄附金控除」として所得税や住民税から控除できる仕組みになっています。

複数の地方自治体に寄付できますが、ふるさと納税先の自治体数が5団体を超えると「ワンストップ特例」が利用できなくなりますので注意が必要です。「ワンストップ特例」については、あとで解説します。

自己負担額が2000円といわれるふるさと納税ですが、これは一定の上限金額内におさめた場合です。自己負担額が2000になる上限額は、ふるさと納税を行った人の収入や控除の状況によって変わってきますので自分の上限額はいくらなのかあらかじめ確認する必要があるでしょう。

上限額を計算する式は次のとおりです。

上限額=個人住民税所得割額×20%÷(90%-所得税の税率×1.021)+2000円

正直ややこしい数式ですよね。総務省のホームページに上限額の目安一覧表がありましたのでそちらをご覧いただくほうが良いかもしれません。

一部抜粋して記載するとこのようになります。

【ふるさと納税の例1】 

  • 本人の年間収入 400万円
  • 家族構成 独身
  • ふるさと納税の年間上限額 4万2000円

【ふるさと納税の例2】

  • 本人の年間収入 600万円
  •  家族構成 夫婦+子供(高校生1人)
  •  ふるさと納税の年間上限額 6万円