年末年始は何かとお金が飛んでいく時期。クリスマスや新年会、年末セールや初売り福袋……。

「その場の雰囲気」でお金を使ってしまい、あとから後悔の念に駆られたことがある、という方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

「雰囲気でお金を使う」ということは、見方を変えれば「贅沢」と言い換えられるかもしれません。仕事を退職したセカンドライフでも、そんなお金の使い方ができたらいいのになぁと考えるのはおそらく私だけではないと思います。

私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。その経験もふまえ、今回は現在のシニア世代の厚生年金と国民年金の受給額事情を紐解きながら、老後のお金の備え方についてお話ししていきます。

【関連記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合は?

国民年金「いまの、シニアの受給額」

まずは国民年金の受給額から見ていきましょう。

厚生労働省年金局が公表する「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、男女別の受給権者数は以下の通りです。

国民年金 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数

〈男子〉平均年金月額:5万9040円
〈女子〉平均年金月額:5万4112円

ちなみに国民年金の男女全体の平均年金月額は5万6252円。男女問わず受給金額に大きな差はありませんね。

国民年金は、日本国内に住むすべての20歳から60歳未満の人を加入対象としています。

保険料については「定額制(保険料額=基本額1万7000円×保険料改定率)」をとっていること、また20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額」(78万900円×改定率)が受け取れ、納付期間が足りない場合はその割合を満額から差引く計算方式をとっていることなどから、受給額の男女差は生じにくいと考えられます。