老後2000万円問題を振り返る

60代・二人以上世帯で「貯蓄2000万円」のラインを超えるのは全体の約3割であることが分かりました。

ここで2019年に話題となった「老後2000万円問題」を振り返ります。

「老後2000万円問題」を分かりやすく整理

この試算は2017年の家計調査に基づき、夫婦世帯の収支から試算された結果です。試算中のいくつかの「落とし穴」についても触れておきましょう。

■1つ目は「住居費が持家世帯を前提として、1万円台で設定されている」という点。

賃貸住まいで月の家賃が5万円であれば、20年間、家賃だけで1200万円が必要です。これを「2000万円」に上乗せして準備していく必要があるわけです。

生活費のダウンサイジングは固定費から着手するのが効果的です。家賃はその最たる例でしょう。老後も賃貸物件に住む予定の方は、ぜひ意識してみてください。

■2つ目は「介護費がまったく含まれていない」という点。

住まいのバリアフリー改修や、老人ホームへの入居を考える場合もあるでしょう。

ときには1000万円をくだらない大型出費にもなり得る、シニア特有の大型出費ですね。健康状態や住まいの環境などに応じて、心づもりをしておく必要がありそうです。