将来子供が欲しい方や、現在妊娠している方にとって、出産費用はどれだけ必要なのか気になりますよね。

お住まいの都道府県によって、出産費用の平均値は大きく異なります。あらかじめどの程度備えておけばよいのか知っておくと便利です。

今回は、信用金庫に勤務していた際、お客様から出産費用について相談を受けた経験を踏まえ、地域別の出産費用と対策についてお話します。

都道府県別の高額出産費用ランキング

公益社団法人 国民健康保険中央会の「出産費用の都道府県別平均値、中央値」を参考に、出産費用の高い都道府県見てみましょう。

【図表】出産費用の高い都道府県TOP101/1

【図表】出産費用の高い都道府県TOP10

【出典】国民健康保険中央会「出産費用 平成28年度」

土地代や人件費の高騰に加え、高級志向の産婦人科が増えた事や無痛分娩の普及が、主に都市部での出産費用を底上げする要因となっています。

特に高級な産院ではリゾートホテルさながらの手厚いサービスを受けられる代わりに、出産費用の合計が100万円を超えるケースも少なくありません。

公的医療保険制度の出産育児一時金は一児につき一律42万円(産科医療補償制度への登録が無い産院では40万4千円)です。高級な産院でなくても自己負担が10〜20万円以上となる場合があります。

健康保険と雇用保険の加入者は支給手当の数が多い

健康保険と雇用保険に加入している方は以下の公的医療保険制度を受けられます。

出産手当金

出産前42日から出産日の翌日以降56日までの範囲で、会社を休み給与の支払が無かった場合に対象。過去1年間の給与を基準とした3分の2の金額が受け取れます。休職期間中に出産手当金以上の給与を受け取っている場合は対象外です。

傷病手当金

切迫流産や妊娠悪阻(診断書が必要)の治療を受けた場合、給与一日当たり3分の2程度が受け取れる制度。連続する3日間を含み4日以上仕事に就けない場合が対象です。

育児休業給付金

雇用保険に加入し、育児休業終了後に同じ職場への復帰を前提として、育児休業開始日より前の2年間に被保険者期間が12か月ある場合に支給されます。

国民健康保険に加入している方の場合、これらの給付金は支給対象外となります。

医療費控除になる対象を把握しておこう

出産費用の一部は確定申告をすると医療費控除を受けられます。

医療費控除の対象となる事由

  • 定期健診費用
  • 通院・入退院の交通費
  • 緊急入院のタクシー代
  • 入院中の食事代 など

もし確定申告していなくとも、過去5年間に遡って申告が可能です。出産費用の申告漏れが無いか確認してみて下さい。

他にも確定申告で控除される出産費用がありますので、事前に細かくチェックしてみましょう。

健康保険や民間の医療保険が適用されるケースも

帝王切開や吸引・鉗子(かんし)分娩などの異常分娩や切迫早産・切迫流産の治療は、健康保険が適用されて3割負担となります。

厚生労働省が2017年に調査したデータによると、帝王切開で出産した割合は、一般病院で出産した妊婦の25.8%、一般診療所で出産した妊婦の14.0%に当たり、約5人に1人が帝王切開で出産している計算になります。

異常分娩は医療行為を伴うため、あらかじめ民間の医療保険に加入しておくと手当が受け取れるケースがあります。小さな掛金でも医療保険に入っておくと便利でしょう。

最近は妊娠中でも加入出来る(妊娠周期による)「出産保険」と呼ばれる民間の医療保険があります。興味のある方はチェックしてみて下さい。

また3割負担となった医療費が1ヶ月の医療費上限を超えた場合は、公的医療保険制度の「高額療養費制度」が適用されます。

高額療養費制度は健康保険や共済の加入者であれば、多くの場合申請無しで自動的に支給されます。国民健康保険の加入者や一部の健康保険加入者は申請手続きが必要になるのでご注意下さい。

出産場所の検討は慎重に

出産場所は主に診療所(クリニック)、総合病院・大学病院、助産院の3つがあります。

診療所(クリニック)

豪華な食事やエステなどの手厚いサービスを受けられる。クリニックによって料金体系は異なるが、設備の整っている個室を選択すると費用が高額になります。

総合病院・大学病院

母体や胎児、生まれた赤ちゃんに万が一があった際の処置が迅速に行われます。受診者が多く診察の待ち時間が長いデメリットも。

助産院

少人数制なので、アットホームかつ妊婦や家族に寄り添ったサポートを受けられます。費用は安く抑えられるが緊急事態の際に医療行為が一切出来ません。

出産場所はそれぞれ特徴が大きく異なります。出産育児一時金やその他控除も踏まえ、余裕資金に見合った場所を選びましょう。

自治体によっては出産祝い金がもらえる

各市区町村では妊婦健診費用の助成金がもらえます。

他にも自治体独自の出産祝い金制度も設けている場合もあるので、お住まいの地域で出産祝い金が受け取れるか確認しておきましょう。

例えば茨城県の筑西市では、令和2年4月1日以降に生まれた赤ちゃん一人当たり20万円を贈呈しています。

自治体によりますが、高額な出産祝い金を受け取れるケースもあるのです。

補助金や保険制度を有効活用しよう

出産という一大イベントを迎える前は、たくさんの心配事が出てくるものです。

まずは日々の情報収集を心がけ、晴れやかな気持ちで赤ちゃんを迎えられるようにしましょう。

参考資料

小見田 昌