老後の生活費はいくらかかるか?

2019年に注目を集めた「老後2000万円問題」を紐ときながら、老後の生活費について考えていきます。

標準的なリタイヤ夫婦世帯が老後30年暮らす場合、公的年金以外に2000万円が必要、とされたこの試算。図でイメージしていきましょう。

老後「2000万円」の根拠とは?

※総務省「家計調査(2017年)」が試算の元になっています。

このオレンジ枠の中が、「2000万円」の根拠なのです。

ただし、この計算式では、留意すべき点が3つあります。

  1. 介護費用が含まれていない
  2. 住居費は持家世帯を前提として1万円台で計算されている
  3. ライフスタイルや健康状態によって、収支には世帯差がある

年を重ねると、健康面での不安は避けることができません。ご自身の現在の健康状態、そして家族構成なども考慮しながら、どの程度の介護費用が必要となるか心づもりをしておく必要はあるでしょう。

有料老人ホームに入居する場合、ひとりで2000万程度かかることも珍しくないようです(※LIFULL介護 老人ホームの費用相場を参考に、5年間の費用合計を算出)。

また、老後も賃貸派という世帯は、生活費に「家賃」が含まれますね。「2000万円」とは別に、家賃との差額を上乗せして準備していく必要があるわけです。

また、老後に必要となるお金は、ライフスタイルや健康状態などによって個人差が出ます。理想の老後は人それぞれ。よって、かかるお金も千差万別といえます。

上記のモデルケースは、「必要最低限の老後生活費」である点は念頭においておきたいもの。「2000万円では足らない」という世帯は、けっして少数派ではないでしょう。