2022年4月、年金制度が大改正されることをご存知でしょうか。人生100年時代を見据えて「75歳まで繰下げ受給できるようになる」などの内容が盛り込まれています。

定年退職後の生活を支える大切な年金。現役時代はがむしゃらに働き、老後は悠々自適に過ごしたいと願う方も多いでしょう。しかし、その年金だけで、果たして豊かな老後は過ごせるのでしょうか。

厚生年金保険(第1号)の平均は月額14万4268円です。

14万円の月収で悠々自適な生活を送れるのかも疑問ですが、そもそも平均である14万円に届かない世帯も多いのです。実はピンキリである厚生年金の受給事情。老後を考えるヒントとなるよう、年金問題を深掘りしてみたいと思います。

【参考記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合は?

厚生年金の14万円には、国民年金も含まれる

日本の年金制度は2階建ての構造をしています。

年金制度のキホンを整理!

職業や立場によって、加入する年金制度が変わります。

1階部分は、日本国内に住むすべての人が加入する国民年金(老齢基礎年金)。2階部分は会社員や公務員が上乗せして加入する厚生年金です。この厚生年金の平均が月額14万4268円なのですが、ここには国民年金の月額も含まれています。

国民年金の平均は5万円台なので、配偶者が専業主婦(主夫)の場合は約20万円という計算になりますね。

しかしこれは平均額をもとに単純計算したもので、何度も言うように厚生年金の受給額には大きなばらつきがあります。厚生年金の保険料は、収入によって決まるからです。

納めた保険料に応じた年金を受給できるため、収入の差が年金額に響くと考えるとわかりやすいでしょう。