18歳以下への10万円相当給付について、山際大志郎経済財政担当相より地方自治体が年収960万円の所得制限をなくすことを容認すると各種メディアで報じられました。ただし自治体への補助金額については、「年収960万円」の基準に従って支給する意向です。
支給が決定してからも紆余曲折する10万円給付問題。実際に、いまお子さんがいるご家庭の平均年収や貯蓄はどれくらいでしょうか。
少し前の調査になりますが、厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、2018年の児童のいる世帯の平均所得金額は年745.9万円。 所得の内訳をみると、雇用者所得(世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で税金や社会保険料を含む)は651.8万円。つまり、子どもがいる世帯の平均世帯年収は「600万円台」です。
この年収600万円世帯の貯蓄や負債額について、リアルなお財布事情を眺めていきます。
世帯年収600万円世帯、その家族の年収や持ち家率は?
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は433万円(男性平均532万円、女性293万円)です。
このうち給与所得者の構成比をみると、年収600~700万円は全体の6.5%。男性で9.2%、女性で2.6%と少数派です。
ただし先ほどの厚生労働省の調査で女性の有業率をみると、2018年の仕事をしている母は72.2%。およそ7割が共働き世帯で世帯年収が600万円台と考えられるでしょう。
今回は世帯年収600万円の貯蓄について、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」よりまず家族のすがたと年収を確認します。
【年収650~700万円】二人以上・勤労世帯の家族のすがた
- 世帯主の年齢:48.3歳
- 世帯人員:3.37人(うち18歳未満:0.98人)
- 女性の有業率:56.4%
- 持ち家率:78.4%
- 平均年収:672万円
世帯主の年齢は40代後半で3人家族、うち1人は18歳未満の子どもです。半分以上が共働きで持ち家に住み、年収は672万円ですね。
では、貯蓄や負債の平均はいくらでしょうか。