18歳以下への「10万円給付」の配布方法をめぐり議論が続いていますね。
長引くコロナ禍。ふところ具合が厳しい子育て世代は多く、現金給付を受け、少しでも貯蓄の足しにしたいという世帯も多いでしょう。
そこでちょっと気になるのが、みんなの貯蓄事情。今回は年収600万円台の勤労世帯にフォーカスをあて、コロナ禍の台所事情を探ります。
約20年ファイナンシャルアドバイザーとして個人向け相談をお受けしている筆者の視点から、老後を見据えたマネープラン(※編集部注)についてもお話していきましょう。
【※参考記事】【iDeCo】10年で資産残高1000万円を超えた人はどんな運用をしている?
「年収600万円台」のイメージって?
国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は433万円(男性平均532万円、女性293万円)でした。
給与所得者の構成比をみると、年収600~700万円に該当するのは全体の6.5%(男性:9.2%・女性:2.6%)です。また、年収600万円以上となるのは、男女全体20.1%(男性:29.7%・女性で6.4%)です。
よって、「年収600万円台」であれば、男女ともに収入が高めの層であるといえるでしょう。
「年収600万円台」のサラリーマン像
同調査の第3表「給与階級別の総括表」から、年収600万円台(1年を通じて勤務した給与所得者)に関する平均値を抜粋します。
- 平均年齢:46.6歳
- 平均勤続年数:17.7年
- 平均給料・手当:524万円
- 平均賞与:122万8000円
- 平均給与(年収):646万8000円
額面給与(月額)は約43万円。社会保険料や税金を引いた手取り額は35万円程度を見込めそうです。
お住まいの地域などによっても差は出ますが、単身で年収600万円ならば、ライフワークを楽しみながら貯蓄もできる「ゆとりのイメージ」がありますね。
ただし、一家の大黒柱であった場合はだいぶ状況が変わるでしょう。40代中頃ごろであれば、お子さんがいる世帯だと大学進学の時期である可能性も。住宅ローンの返済と教育費の捻出に手一杯、というご家庭も多いでしょう。
さきの統計では、「ひとりで年収600万」を超える人は男女全体の約2割とごくわずかでした。しかし、共働き世帯は増えています。一馬力では難しいけれど、夫婦合算であれば世帯年収600万円台を超える、というご家庭も多いでしょう。
次では、「世帯年収600万円台」のすがたを深掘りしていきます。