厚生年金の男女差はいくら?
次は厚生年金の平均受給額と受給額分布についても、男女差に着目しながら確認していきましょう。
※厚生年金保険の被保険者は第1号~第4号に区分されます。今回は、民間企業の被用者である「厚生年金保険の第1号被保険者」が受け取る年金額を見ていきます。
厚生年金保険(第1号)・平均年金月額
※厚生年金保険(第1号)の年金月額には、国民年金(基礎年金)部分が含まれます。
男女全体:14万4268円
男性:16万4770円・女性:10万3159円
なんと男女の差は約6万円。月額で6万円なので、年額にして平均約72万円の差があることになります。
差が出る理由は、厚生年金額の決め方にあります。厚生年金は勤務年数や標準報酬月額、標準賞与額によって決まるため、現役時代の給与所得が年金額に響いてしまうのです。
これらは現在年金を受給している人の平均なので、共働きの多い現役世代が受給する頃には、もう少し差が埋まるかもしれません。
しかし国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、男性の平均給与532万円に対して、女性は293万円なのが現状。女性は出産や育児でキャリアダウンすることも多く、男女差が埋まるのはまだまだ先になりそうです。
「家族形態ごと×働き方別」年金額はいくら?
現在の年金受給額を参考にして、家族のパターンごとに受け取れる年金額を試算します。平均から算出し、金額が高い順に並び替えた結果がこちらです。
夫婦ともに厚生年金
26万7929円(夫16万4770円+妻10万3159円)
夫は厚生年金・妻は国民年金
21万8469円(夫16万4770円+妻5万3699円)
男性シングルで厚生年金
16万4770円
夫は国民年金・妻は厚生年金
16万2025円(夫5万8866円+妻10万3159円)
夫婦ともに国民年金
11万2565円(夫5万8866円+妻5万3699円)
女性シングルで厚生年金
10万3159円
男性シングルで国民年金のみ
5万8866円
女性シングルで国民年金のみ
5万3699円
こうしてみると、女性の年金額の低さが一層わかりますね。妻の厚生年金と夫の国民年金を足しても、男性一人分の厚生年金に満たないようです。
年金だけで生活するのが厳しいと感じた場合、どのような対策ができるのでしょうか。次で触れていきます。